これからの時代は創造性が必要になるよ
創造力をもっと働かしてアイデアを出してよ
未来を一緒に創造していきましょう――
最近ではよく「創造」という言葉を聞くことが増えてきたかと思います。この言葉は、私たちが行っている起業家教育の中にもでてきます。それは、
起業家教育とは
起業家精神(チャレンジ精神、創造性、探究心等)と起業家的資質・能力(情報収集・分析力、判断力、実行力、リーダーシップ、コミュニケーション力等)を有する人材を育成する教育です
と一般的には言われており、起業家精神の中に創造性とあります。
ここで、勘違いしてほしくないこととして、起業家精神、起業家的資質・能力が起業を目指す人だけに必要となるものではないということです。
実際に、すこし表現の仕方は異なりますが、小学校の学習指導要領にも「生きる力」として起業家教育が目指すゴールと同様なものが記載されています。
つまり、起業家教育が目指す「起業家精神」と「起業家的資質・能力」はこれからの社会ではすべての人が持っておくべきものだと言えるでしょう。
「じゃあ、どうすれば身に付けられるのか?」…
この問いは誰もが抱くものだと思います。実際、自分もどうしたらいいかいまだに考えていることですが、ある体験会に参加してくれた高校生から、「チャレンジ精神とか創造性を鍛える方法や今から出来ることはありますか?」と質問をもらいました。
その時に回答した特に創造性について、身に付け方や今から出来るとこを自分なりの考えですがまとめて書いていきたいと思います。
今からできることって?
ここで、改めて起業家精神を簡単に言い換えてみましょう
チャレンジ精神→何かをやってみること=新しいことをしてみる
創造性→新しいことを考える、生み出す、作り出す
探究心→一つの事を追求し理解する、深堀する
この3つの事で共通して言えること、それは「好奇心・興味・関心」が最初になければどれも成り立たないことです。
なにか新しいことやってみたいなーと思うとき、無関心などであれば絶対にそのような考えは生まれないと思います。同じように新しく何かを作ることも、作りたい、作ってみたいといった興味が最も大切だと思いますし、一つの事を追求、深堀をするにはそのことへの強い関心、好奇心がなければ続けることが出来ないと思います。
つまり、起業家精神を身に付ける最初の重要なことは「好奇心・興味・関心」を持つことといえます。
じゃあそもそも、その「好奇心・興味・関心」を身に付けるにはどうすればいいの?と堂々巡りのようになりますが、そのことについてはまた別の機会で書いていきたいと思います。
では、「好奇心・興味・関心」を持っている前提で話を進めていきたいと思いますが、これらの能力を持っていても、創造性や創造力などは先天的なものだから、「鍛えよう、伸ばそうと思っても無理なんじゃないの」と思われる方も今まで会ってきた人たちの中にいました。確かに、似たものとして、センスや才能は生まれながらに持った能力で、どうしようもすることができないものだと聞くことがあります。ただ、私は創造性に限らず、センスや才能に対するそれらの意見には否定的で、後から鍛えることができるものだと考えています。
どうすれば鍛えることができるのか…
それは、絶対的な知識、経験、情報がそれらを生むと考えています。
これはどういう意味かと言うと、例えば、新しいゲームを考えなければいけないときに、
- ゲームをまったく遊んだことがない人
- 昔から様々なゲームを遊んだことがある、いまだに最新ゲームを遊んでいる人
では、どちらが今までにない、おもしろいゲームを作れそうと思いますか?
新しく、面白みがあるメニューを作るように言われたシェフで
- 料理というものに触れてこなかった人
- 古今東西様々なジャンルの料理に精通している料理人
では、どちらのメニューが面白みがあると思いますか?
上記の2つの例は極端な比較になっていますが、私が言いたい「絶対的な知識、経験、情報」がセンスや創造性を生むことは十分伝わるのではないでしょうか。
全くゲームを知らない人より、様々なゲームを知っている人の方が、今までにない“新しいゲーム”を考えるには、自分が保有している「ゲームに関する膨大な情報」を頼りに、比較・組み合わせ・新規性を考えることができると思います。これは、「ゲームに関する膨大な情報」が無ければ、自分のアイデアが今まで考えられたものなのかどうかも分かりませんし、名作と呼ばれるようなゲームの面白い部分だけを取り出し、それらを組み合わせることもできません。ましてや、今までにない新しいものを作るのであれば、過去の作品、しいては歴史を知らなければ、新しいもの(新規性)をつくる事はできないと思います。
料理でも同様に、素材の切り方や、調理方法(炒めるのか、蒸すのか、焼くのか、煮るのか、揚げるのか)、調味料やほかの素材との組み合わせ方など、様々な知識、経験があってこそ、最適でかつ新しい料理を想像することができると思います。
つまり、「あいつは才能があるからあんなにすごいものが作れる、考えることができるんだ」と、思っている方は、厳しいことを言いますが、シンプルにその分野に対する「知識、経験、情報」がその人より足りていないだけだと思います。
もちろん、無から何かを作り出すことは、本当の大天才ならできるかもしれません。しかし、ほとんどの人は凡人であり、凡人は無から何かを生むことは不可能に近いかもしれません。しかし、大天才に近づくには、大量の情報、知識、経験という、膨大な選択肢の中から、組み合わせて“1”を作るしかないのです。
そのためには、何を始めるにもとにかく“新しいものに触れること”が重要なのです。
今からでもできること
文系だから、理系だから、専門外だから、自分には関係ないから、と新しいことを避けているようではいけません。
今後使うことがなくても、思い出すことができなくてもいいのです。とにかく、目の前にある今まで出会ってこなかった知識や経験に触れてみることが大切だと考えます。
好きの反対は無関心(もしくは知らない)とはよく言ったもので、嫌い・苦手・やったけどできなかった、分からなかった、と思った方ががまだ十分価値があると思います。将来、何かしなければいけないことが出てきたときに、「これ昔したけど、難しくて苦手なんだよね」の方が、“また改めてする時”に知らないよりも非常に有利なスタート位置にいることが分かると思います。
なので、三日坊主でも、お金の無駄でも構わないのです。
今からでもすぐにできると思います。何か気になったこと、これまで避けてきたこと、ふと目に留まった文章や絵など、何でもいいので、今まで身近にあったのに存在を認識していなかった、無視していたものに一瞬でいいので興味を持ってみてください。
それが、あなたの創造性を生み出す最初の一歩になると思います。