“FIRE”という生き方

「不労所得」という言葉を聞いて、あなたならどんなイメージを持たれますか?

弊社の起業家教育プログラムの中で子供たちにこの質問をすると、「働かずにお金をもらうなんて..」と、どこか後ろめたい印象を持つ子が少なくありません。

それもそのはず、大半の家庭では両親が定年まで働いていて、朝から家を出て夜遅くまで汗をかいて家計を支えてきたのです。

ですが、多様化する現代では働き方やライフスタイルも様々であり、その情報をネット上で知り得ることができるため、最近では「FIRE」という言葉が定年退職に代わるキャリアにおけるゴールの新しいキーワードとして、主に若い世代の間で広まっています。

「FIRE」というのは、“Financial Independence, Retire Early”の略で、勤労所得に頼らずに投資運用の収益だけで生活できる状態を指します。

また、FIREをするためには長期間に渡ってかなり大きな金額を投資し続けなければならないため、勤労所得と投資収益を合わせて生活をする“サイドファイアー”という考え方もあります。

これらの生き方は、目標を持って仕事を頑張り、賢く貯蓄を継続していく作業が必要なため、決して後ろ指を刺されるものではないと私は考えます。

本日は、「FIRE」の考え方と必要な知識などについて解説していきます。

FIREを実現するために必要なこと

前述の通り、FIREをするためには貯蓄を株式などの投資に回して配当を得る仕組みを作っていく必要があります。

一般的な指標として以下2つのポイントを押さえておきます。

 

■年間生活費の25倍の資産を作る

■4%ルール

 

まず、運用収益だけで生活をするということは、あなたが年間いくらあれば不自由なく生活ができるか、ということを知っておく必要があります。

例えば月に30万円あれば贅沢でなくとも普通に生活ができると考えるのであれば、年間で360万円が必要になります。

これを25倍にした額が、あなたがFIREをするのに必要な投資運用資金の元手になります。

360万円×25=9,000万円(元本)

4%ルールというのは、上記の例でこの元本を年利4%以上で運用できれば、運用益だけで生活費が賄えることを意味しています。

(米国の株や債券の過去の運用実績が実質4%のため、25倍の額を4%以上で運用すれば元金が減る可能性は低いという理論)

 

「なるほど、9,000万円を貯めればいいんだね。」と思われた方、ざっくり言えばその通りですが気が遠くなる方もいると思います。

ですが、生活費を下げる、副業などで勤労収入を増やして貯蓄額を増やす、他運用の複利で資産を増やすなどによって目標額達成時期を早めることはできます。

また、セミファイヤーという考え方ではもっと少ない金額になります。

FIREは、賢いお金の知識をつけること

とは言ってもやっぱり気が遠いなと思われた方は私と同じ普通の感覚の持ち主だと思うのでご安心を。

一般的に多くのサラリーマン事情は厳しく、子育てなど家庭を支えるのに一杯一杯というのが実情ではないでしょうか。

ですが、もしあなたがFIREという選択肢を目標に持つのであれば何かこれまでとは違うアクションを起こすことは必須になります。

私はそこで「起業」という選択肢を持ちます。仮に9,000万円を貯めるには毎月30万円貯蓄に回しても25年かかりますので、自分で事業を起こして収入にアッパーを作らないこと、少なくとも副業を始めることの方が単に今の給料を貯蓄に回すことよりずっと現実的に思うのです。

ただし、FIREというのはライフスタイルにおける1つの選択肢でしかなく、良いも悪いもありません。また、完全に仕事をやめると成長が止まるなどというイメージを持つ方も少なくないと思いますが、そうではなく、FIREによって時間ができた分、また新しいチャレンジができるという捉え方もできます。

結局のところは自分がどう生きたいか、何を幸せと考えるのか、ということによってキャリアの目標を定めるのがよさそうです。

 

何はともあれ「このような生き方がある」ということを学生時代から知っておくことでこれからの時代を賢く生きる力がつき、選択肢が広がるのではないか、そのような思いで、現在子供たちに様々なお金の知識をつけてもらう方法を模索しています。

さ、私も浪費癖をなおさねば…